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シャーロキアンを目指す旅②

1日目 いざ、ロンドンへ! 幻の?カールトンクラブ

6月25日(金)
空港にはちゃんと手はずどおりANAの係員さんが待ち受けてくれていた。
ここまですでに1時間のロスをしているのに、何かあったのかもたもた待たされて、更に十数分無駄にし、結局ホテルに着いたのは6時を大分回っていた。
その所為かバス内で思いっきり早口で注意を喋り捲って、係員さんはホテルのチェックインをバタバタ済ますと直ぐ出て行ってしまった。
以前の、鍵と、室内セーフティ・ボックスと、お湯の出を確認してから帰っていった係員さんは「天使だったんだー」と思った。
なぜならセーフティボックスが壊れていて、私の最初の英語は「部屋のボックスが開きません。来てください。」と、電話で言うことだったのだから。
だけど通じなかったのか、来ないし、早く出かけたいしで、フロントに行ってみたら、チェックインの人がずらーっと並んでいた。
それなのにフロントには1人しか居ないし、並んで待っていたらやっともう1人受け付けの女性が出てきたので、頼むと直ぐに付いて来てくれた。
1機しかないエレベーターが混んでいたので「階段でいいわ。」と答えたのだが、部屋は379号室。
英国では4階だった!忘れてた。
だから一緒に上りながら仕方なく可愛らしい笑顔を見せる若いフロント女性とたどたどしい会話をする羽目になった。
「ロンドンは初めてですか?」
「いいえ、2回目です。だけど先回は5年も前でした。だから今回はミレニアムブリッジを渡りたいと思っています。」
「五年前よりロンドンは大分変わりました。新しい所をいっぱい見て行ってください。」「ありがとう、そうします。」と、会話した積もり!笑わないで!
この苦労にも関わらず、結局セフティボックスは壊れていて、フロントに預けてくださいということになったのだ。
そろそろ夕方の八時近いというのにまだ昼間のように明るい。
私たちはとりあえずフロントに貴重品を預けて、夕飯を食べ、リージェント街まで出て見ようということにして、確か夜八時までと案内本に書いてあった気がしたので、セルフリッジに飛んでいった。
お腹もすき始めていたし、ホテルに一番近い食品部のあるデパートがここだったから。
1階の奥のイートインコーナーで軽くパンピザ(トマト・チーズ)とピンクグレープジュースの軽食を取る。
凄くハンサムなおにいちゃんは「暖める間座って待っていて。」というので待っていたら、直ぐに暖かいピザを持ってきてくれたので、お金を払う前に食べれてしまった。
「イートインコーナーなのにいいのかな?」と不安に思いながら食べていたら、向こうのレジのお姉さんが近づいてきた。
「まだ支払っていないんだけど、どこで支払うのかしら?」と聞いたら反対のコーナーのレジを教えてくれた。食べ終わってドトールみたいに食器を下げながらレジに行ったらおにいちゃんが恐縮してくれたところを見るときっとそのままでよかったんだろう。
支払いは申告制?で、何を食べたと聞くから答えて支払った。
だけど「あれじゃぁ嘘も通りそうだよね。」と心配になった。おばさんのどこでも大きなお世話だ。
もう八時半を過ぎていて「はて、実際は何時まで開いているのだろう?」と思いながらロンドンの街に出撃。
オクスフォード街に戻り、リージェント街に折れる。
空港から乗ってきたバスはホテルに入るのに、ウィグモァ街を通ったし、ホテルはウェルベック街に面しているし、もうそれだけで私たちのアドレナリンは十分に噴出していた。
以前にロンドンへ来た時も「ホームズの襲撃されたところだ!」と思って見ていたのに、カフェ・ロワイヤルの青い日よけと文字を見つけると二人の目は確実に「キャッ!」と、叫んでいた。
「高名の依頼人」でホームズを襲った奴等がこの店の中を走り抜けて裏口から逃走したのだ。最もこの店の高級そうな様子を見ると、今じゃ簡単に走り抜けられるとは思えない。
そしてあのクオドラントのカーブを回りきって、ピカデリーのエンゼルが見えてきた向こうに「クライテリオン・バー」のネオンを鮮やかに発見!

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〈写真 正面がクライテリオンバー〉

「緋色の研究」でワトソンがホームズを紹介してくれることになったスタンフォード青年と出会ったところだ。
ホームズ伝説の発端の地!
到着数時間にして着実に目標達成しつつある充実感が溢れてくる?
アンダー・リージェント街に入り、もう閉まっていたけれど、以前と変わらずにあるマイバスセンターを確認して(本当は今日中に日本から電話予約したカンタベリーへの日帰り旅行の確認をしておきたかったのだが)先に進めば、もうウオータールー・プレイスの高ぁい細長のヨーク公像が見える。
「最後の挨拶」でヨーク公像のあるウオータールー・プレイスの脇には独逸公館があったという事を知っているが、今はもう無い。
その像の前に行く手前に「クリミヤ」と書かれた台座の上にナイチンゲールの巨大な女神のような像があった。
現在彼女の実像について色々な新しい報告が続いていて、私たちが読んできた偉人伝中の話は虚像だとも言われている。
その折に見たせいか、この大きな像がなぜか悲しそうだった。
この道を右折するビルの角に「ペル・メル」の道路標示があって、私が
「ホームズの兄のマイクロフトの住まいだ!」
って思った途端、彼女も
「もうここがペル・メルだね。マイクロソフトの住まいとディオゲネス・クラブがあるはずだね。」と言った。
「ん?それって、何かの会社の名前じゃん?」って、思ったので、
「今なんていったの?」って聞いたら
「やっぱり間違えていた?どうもカタカナって頭に今一しっかり入らなくてさ。混乱するんだ、お兄さんの名前。本当は何だっけ?」「マイクロフトだよ。」
なんて笑っていると、もう
「ほら、これがセント・ジェームズ宮殿だよ。」
「うそっ!道路にそのままじゃないの。えー、地図で見ても道路から少し中に入っているみたいに見えたのにー!こんなむき出しでいいの?宮殿ともあろうものが!」
「間違いないよー、この前来たもの。時間がこれだから、門衛も居ないけど、昼はちゃんと赤い服を着た衛兵が居てさ、観光客が写真撮っていたもの。娘がこんなとこつまんないって、ブウブウ言ってさ。それにちゃんとセント・ジェームズ街にはカールトン・クラブが有ったよ。」
そうだ、この道がもうセント・ジェームズ街なのだ。
ペル・メルに居る間に「マイクロフトの住居とディオゲネス・クラブ(正確にはらしい建物)を見つけなくっちゃ。」と思っていたけれどペル・メルは思っていた以上に短い。
それは私たちがアンダー・リージェント街から出てきちゃったからであって、ペル・メルは一応ヘイマーケット(トラファルガー広場?)にぶつかるまで続いている。
それにさすがにそろそろ夕焼けの風情。帰り道に入らなくてはと、その確認はまた次回にする。いずれにしてもマイクロフトの住居はウォータールー・プレイスよりこちら側だろう。薄く夕焼け色になってきた空の下を一軒一軒カールトン・クラブを探しながら、セント・ジェームズ街を北上する。しかし無い。

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〈写真 カールトン・クラブはいずこ?〉

「おかしいなぁ?確かにこの通りにちゃんとあったと思うんだけど。」
「もう一つ奥に見える通りじゃない?」
「違う違う。この通りに有ったよ。」
というので、もう一度セント・ジェームズ宮まで戻って見直す。
ホームズの「ギリシャ語通訳」によれば、「セント・ジェームズ宮の方からずーっと歩いていった。カールトン・クラブの直ぐ先のとある入り口が、ディオゲネス・クラブ・・・」とあって、そのディオゲネス・クラブはペル・メルにあるのだ。
ピカデリーにぶち当たるまで行ってみるけれど見付からない。
新しい建物も混在しているので、私は古くてそれらしいのを適当に心の中でこれにしようと思って通る。
本当はこの訳ちょっとわかりにくいと思っているのだ。原文で読んでいない悲しさ!
セント・ジェームズ宮の方からペル・メルに入れるというと、宮殿の手前の道(マルボロハウスとの間の道、マルボロ街)を来るか、宮殿の前の道・クリーブランド・ロウを西の方から来なければならないと思うのだが、そうするとカールトン・クラブは宮殿の真横にあるか、クリーブランド・ロウの宮殿の向かい側になければならない。だけど先人のシャーロッキアンのどなたかの地図には確かに彼女の言う所に有ったと書いてあったし、彼女も以前来た時に見つけているというのだし?それが確かなら本文の翻訳が怪しい事になると私には思えるのだ。
暗くなってこなければ、宮殿の先を探してみようと言い張ってもよかったのだけれど、彼女が「絶対」というものを旅の最初から面倒にすることも無いと思って私は付いていった。
「この通りにちゃんとカールトン・クラブって書いてある建物があったんだもん。」
彼女は怪訝そうにまだ言いながら、結局は見付からないでピカデリーを横断し、オールド・ボンド街をずうっと北上して行く。
途中の横道の間から見える緑を「アレが多分バークリー・スクェアだよ。」とか「アレはハノーヴァ・スクェアらしいね。」とか言いながら。
どの店ももうとっくに閉まってはいるが、なじみのブランドショップがいっぱい並んでいる。この道は賑やかだったリージェント街よりは静かな高級感がある。
所々の路地から若者の喚声や嬌声が響いて、パブの面白い看板が明かりのともり始めた道に存在をアピールしている。
「ああそうか、今日は金曜の晩なんだね。」
金曜の朝に家を出てからずいぶん長い時間を掛けて、私はまだ同じ金曜の夜の九時過ぎに異国の夕暮れを歩いているのだ。
「どうせならヴィア街を回って行こう。」
オックスフォード街を渡りヴィア街を通り、ウィグモァ街を横切るとウェルベック街に面した私たちのホテル。
「最後の事件」ではヴィア街でホームズめがけてレンガが降ってきたのだし、この先のウェルベックとベンチング街の交差点ではホームズはモリァティ教授の部下に轢き殺されかけたのだし、「四つの署名」に出てくるウィグモァ街の郵便局も探さなくちゃならないし。うふふ。
十時過ぎにホテルに帰り着いて、本来ならもう寝ているはずの彼女は風呂にすっ飛んでいく。大体早寝の彼女が風呂を浴びているうちに私は片付けて明日の準備をし、今日の行程を書き留めておく。
私が風呂を出る頃はもう一服睡眠薬を盛った彼女は寝息を立てている…というのが私たちの旅のパターンだったが、今回は違った。
私が風呂から出てきても彼女は起きていた。
「私もこの旅は記録をちゃんととって置くんだ!」
旅の始まる前からそう言ってはいたのだけれど、本当に地図とノートを広げて熱心に書き込んでいた。やる気満々だね?
だから寝るのが十二時近くなって、明日の朝の目覚ましを七時にセットするのがせいぜいだった。

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