私のロマンチック街道紀行 ③
第2日目 5月27日(土) ライン・クルーズ
予定表では フランクフルトからリューデンスハイム。そこからライン川クルーズでザンクトゴアへ。
古城レストラン昼食の後フランクフルトのゲーテ通りで解散自由時間。18:30に集合夕飯、 後ホテル。
心配されたお天気は曇天。一応雨コート。傘を手荷物に入れてバスで出発。
順調な行程で、リューデンスハイムへ到着。途中は平坦な田園にゆるーい丘が続いていた。
時間に余裕があったので、船乗り場の前を直角に伸びるドロッセルガッセ(つぐみ横丁)自由散策の時間が20分ほどもらえた。
ドロッセルガッセはワイン酒場街として知られているが幅の狭いプチ仲見世のような賑わいがあった。
まだ朝っぱらといっていい時間なので、店の中のテーブルに付いている人は殆ど居ないが、路は観光客で賑わっていた。
といっても長さ役150メートルという極々細い短い小道なので、行って写真を撮って帰ってくるのに20分もの時間もかからないくらいだ。
ここはやっぱり夜の小路なのだろう。殆どの酒場がお土産屋を兼ねている。
船は15分遅れで到着し、行列していた人々がどっと乗り込む。押し合いへしあいの感がある。
(ライン・クルーズの行程)
広い前甲板の真ん中には椅子が積み重ねられていて、勝手にそれを取って自分の好きなところに居場所を決めると言うスタイル。
真ん中には飲み物のカウンターがあり、当然のようにワインやビールを片手という人が多かった。私たちは船首に近い左手に場所を取った。
(プファルツ城)
目的のザンクトゴアまでは距離にしたらどのくらいだろう?そんなに長くない行程を、 あちこち停泊して乗客を乗せ降ろしして一時間40分かけて進む。実際は2時間の旅だったが、この間に沢山の城が散見されるのだ。 それが楽しみな船旅なのだ。
マインツから私たちが下船するザンクトゴアの少し先、ボンまでにざっと26の城跡がある。
船が発車?して最初に目に入ったのはニーダヴァルト記念碑(ゲルマニア女神像)。32トンものブロンズ像が聳えていた。
ドイツ再統一のシンボル像だそう。
ゲルマニア像が遠すぎて写真に上手く納まらないなぁ・・・と、思っているうちに急にビンゲンが現れて慌ててしまった。
何しろこのクルーズでの私の一番の興味はこのビンゲンだったのだから。
「赤毛のアン」が好きな人は皆覚えているだろう。ギルバートが「ライン河畔のビンゲン」という詩を暗唱して、ダイアナが「もう一人いる、 そは妹にあらず・・・」というところであなたを見たわよとアンをからかうところ。
その詩の舞台「ライン河畔のビンゲン」を通るのだ・・・これが楽しみでなくて何?
ノートに写してきたその「詩」を広げて、ちょっとロマンス?に浸った。
これってちょっとした「赤毛のアン紀行」でもあるわね。
ビンゲンは曇天の下、川筋に本当に小さく広がる小さな町だった。でも私には月光の下、死に逝く若き兵士の姿が浮かんでいた?
さてその後は・・・私はこのライン川クルーズに備えて、この川筋で見られる城と城跡の一覧表を作って一つも見逃さないようにと準備していた。
船はとってもユックリ進むので見逃しは無いはずなのになかなか上手く確認できないのだ。城の名をアナウンスしてくれているのだが、割れて、 風に飛んで、聞き取れない。調べたのと実際に見るのとで数に差があったようだ。
それでも、ゾーネック城、シュタールエック城、プファルツ城、ブルク・グーテンフェルス・バッハラッハの町などに見とれた。
美しい岸の眺めも、丁度5月の雨の後緑が滴るように見渡す限りで、川の黄土色がかった鈍色と併走している感じ。
川岸に次々現れてくる小さな村々が美しい教会を中心に可愛いらしいのに感嘆した。しかし圧巻は断崖の様な両岸に連なるブドウ畑だった。
あの崖で一体どうやって育て、収穫するのだろうか?首を捻る。殆ど断崖だよ?
小さな波止場ごとに人が乗り込み降りて気が付けば甲板は人の山。 真ん中のカウンターでビールを飲んでいるおじさんおばさんは賑やかになる一方。
見なくていいのかしら?
そしてハイライト!かのローレライ。
私もこの歌を思い出し口ずさみながらこの旅の勉強をしていたのだものね。
「ずうっと忘れていた歌を結構覚えていたことに感動しちゃった。」
「私だって覚えているわ。不思議ね?」
なんて言っている間にスピーカーからはその曲が・・・。
そして写真で見て覚悟していた通りのローレライの岩山が。
断崖絶壁には違いないのだけれど、やっぱりこれがイメージと合わないんだなぁー。 何しろこれじゃぁ舟からでは黄金の櫛で髪を梳くローレライが見えるはずが無いのだもの。子供の頃川に突き出た岩礁に人魚・・・ みたいなのを想像していたんだわ。
ラインフェルス城、ブルグ・カッツが見えてくると下船。
ザンクトゴアールだ。殆どの人がここで降りるのではないかと思うほど下船口は大渋滞、ようやく降りたら目の前に私たちのバスが待っていた。
さっと乗り込み昼食は古城レストラン「ラインシュロス城」。
直ぐ上に見えているのにずうっと迂回路を上って行く。この道筋の美しいこと、ヨーロッパの田園はどこも?のどかに美しい。 ドイツは暗いイメージがあったが、五月も終わりのこの頃はやっぱり最高に美しい季節なのだろう。
古城レストランは実に上手に遺構を利用していて見事に美しく明るく豊かな雰囲気を演出していて、如何にも居心地のよい空間になっていた。
入ってみると「こんな不便なところにどこから?」と思うほど沢山の人が食事に来ていた。
私たちは室内だったが、ライン川の上に張り出すような城壁の上のテラスで食事している人々が羨ましかったなぁ・・・。
昼食はグリーンサラダ・鱒の蒸し物クリームソース・パン・ビスタチオのアイスクリーム・コーヒーに「白ワインの名産地!」よ。
昼食の後ほんの少しの城跡散歩の時間が有って、使われていない城址の方を歩いてきたが、思っていた以上に大きな遺構だった。 そしてその崩れた城壁の趣が川を背景に魅力的だった。
昼食後、昨夜ロンドンで積み忘れられた荷物がホテルに届いているか確認のためホテルに戻ることになったので、 フランクフルトの市内自由散策の時間が減ってしまう。
私たちには本当に迷惑千万の「痛い積み残し事件!」だ。
そのせいで予定していたシュテーデル美術館は諦めねばならぬ。
荷物は無事到着していて添乗員さんは「良かったですね。フランクフルト2泊の旅で。 移動していたら今日中に付いたかどうか・・・」と慰めて?いたけれど。私たちには慰めになっていないよー。
またバスで市内に戻る。
私たちの宿泊した「マリオット・ホテル・フランクフルトはフランクフルト中央駅の東、メッセ会場の隣にあって、
目的のゲーテ通りにはちょっと遠い。
(マメ知識・メッセとは教会のミサから派生した語で、教会の集まりから転じて情報交換の意になったとは添乗員さんから)
16:45ゲーテ広場で解散。夕食はこの近くのレストランと言うことで、またこの広場にあるハウプトヴァッヘ前に18:
30に集合ということになった。
(ハウプトヴァッヘとは中央警護所という意味だそう)
私たちはカイザーマルクト通りを三越まで。 余りに何も無いのでゲーテ広場に戻って広場をグルッと回ってGr.Bockenheimer通りをアルテ・ オペラ前まで行ってゲーテ通りを広場まで戻ったら、まだ15分ほど時間を残してもう殆どの方が戻ってきていた。 ゲーテ通りはブランド街だけれど短くて、買物をしない人にとっては実に中途半端な自由時間だった。 私は頼まれ物の化粧品を化粧品屋を見るたびチェックしたが無し!
「フランクフルトは66万人規模の都市でユーロ中央銀行もありドイツの金融・ 証券の中心地で交通量・航空便積み出し量はドイツ1多いんです。日本人も3千人すんでいます。 」そうですが。
また同じ道を通って今日の夕食はKleine
Hochstrasseにある
「Vinum」
というレストランへ。
夕食は生ハムメロン・お麩(?皆の議論の種)入りコンソメスープ・茹で牛肉にフランクフルトソース・ジャガイモ添え・アップルパイ・ コーヒーにやっと?ビールの国のビール!
呑めない私でも旅はお祭。毎食そこのお薦めのビールなり、ワインなりを楽しむつもりよ。
食後バスでホテルへ送られて、ホテルの周りはシンと真夜中風情?まだ八時宵の口だというのに・・・もったいないような・・・と、 思いながらも酔っているし?今夜は早寝。